富士スーパースピードウェイ 2000/09/13

 富士スピードウェイの30度バンクは現在放置されて朽ち果てるままになっているが、これではたとえその歴史を知らぬ者が見てもあまり気持ちの良いものとは言えまい。史跡として整備するか、あるいは現代的に改修して再利用してもらいたいものである。

 そこで提案したいのが以下の2案。

コース図 拡大

 第1案は冗談のような話であるが、30度バンクを再びホームストレートとつなげてバンクの出口と300Rの出口を新設ストレートで結び、Bコーナーをショートカットして左廻りとすれば、全長約3マイルのハイスピードオーバル“富士スーパースピードウェイ”の出来上がりである。トヨタにしてみれば、もてぎに対抗する本格的オーバルトラックが欲しいところであろう。いまさら新たに山を削らなくても、こういうゲリラ的な方法もないことはない。言ってみればリオのエマーソン・フィッティパルディ・スピードウェイと同じ方法(註1)である。アメリカンスタイルのピットが必要なら、これもリオ式に新しいストレートに沿って新設すればよい。あるいは従来のホームストレートとメインスタンドの間の広いランオフエリアを舗装してオーバル用ホームストレートとし、従来のホームストレートをオーバル用ピットとして、あいだに仮設ピットウォールを設置する方法も考えられなくはない。
 但しこのプランの問題点としては、バンク角が30度もあるためCARTのレギュレーションに抵触する可能性(註2)があり、もてぎに替わってCARTのレースを誘致するという目的にはそぐわないという事も考えられる。

 第2案は割と現実的なプランのつもりである。Fポンは年間1戦を鈴鹿の東ショートコースで開催するようになり、各レースをなるべく別のコースで開催する方式へ移行したい風にも見える。であれば、年間2戦が開催される富士も1回はロングコースで、というのも悪くなかろう。従来の1コーナー途中から30度バンクへコースを繋げばシケイン状になる。1コーナーでのブレーキ競争は今まで通りで、そのあとバンクを加速しながら通過、S字を抜けたAコーナーではショートコースより多くのオーバーテイクシーンを期待できるのではなかろうか。
 今シーズンのF1USGPはインディアナポリスモータースピードウェイの新設ロードコースで開催される。バンクを走るF1グランプリ(註3)が意外と好評だった場合、バーニー・エクレストンがバンク復活の富士スピードウェイに色気を見せ、鈴鹿の契約切れ後は再び富士でF1日本GPが開催される(註4)ことになれば、これまたトヨタにとっては願ったり叶ったりである。

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註1.
 とは言っても、富士の場合バンクを全開で立ち上がった後1.5kmの直線である。どんなとんでもないスピードに達してしまうかを考えれば(1966年の日本インディの時はどうだったのか?)、リオのコースとの現実性の差は否み難い。因みにエマーソン・フィッティパルディ・スピードウェイではロードコースとオーバルの周回方向はおなじである。

註2.
 2001年シーズンからCARTのレースが新たに開催されるコースのひとつはかなりのハイバンクを持っているらしい。30度バンクも意外と問題ないのかも。

註3.
 勿論大昔はモンツァをはじめGPカーがバンクを走ることも少なくなかった。インディアナポリスに続いてイタリアGPでもバンクが復活したりして。ちなみにモンツァは今でもホームストレートの幅がコース2本分あるので、ピット側の半分にアメリカンスタイルのピットを仮設して旧バンクを左廻りで使えば、割と簡単に米国式オーバルに早変わりするのでは。

註4.
 しかし富士でF1GPが開催されると、最終コーナー出口あたりに新しくシケインが作られてしまう恐れがある。それだけは避けてもらいたい。

寝言↑
公道天国↑